濱野陽生

濱野裕生さんからの投稿です。Re:（返信）の元文は、交流掲示板をご覧ください。

あァ・、医療、看護・介護。そして、家族　投稿者：濱野裕生投稿日：2012/08/25(Sat) 01:16 No.1690

昨、８月２３日。胃ろう生活をしている母の装着器具の２度目の交換日でした。

　先日のブログで《バイタル測定》に関した個人的な意見を書きました。その記事に関し、母の介護を通じ、或るいはコンサートを通して知り合った数名の看護＆介護関係者から賛否の声を聞かされました。そして、意外に思った事は《肯定》の意見があった事。つまり、「そんなの普通にあり得るよ」、と・。どの病院でも長期滞在型の療養型デイ施設、通常のデイ＆入所施設に於いても必ず行なわれているバイタル測定値の多くが《正確ではないかも知れない》＆《面倒くさいよ》、という意見でした。

　私が前回の記事で指摘したかったのは《体温＆脈拍》の部分の《体温測定》ですが、今回の記事ではその他の測定も含めて書いてみたいと思います。

　但し、全ての施設でそうした曖昧な測定が行なわれているとは思いたくはありません。曖昧にならざるを得ないんだと思います。母がお世話になっている施設でも時に感じる事ですが、皆さんからのコメントを読む限り、どこの施設ででも似たような現実があると・、いう事。でも、必ず《特定の人》なんですね。全ての人が・ではないんです。この特定の看護師、介護士さんの誤った意識が施設全体のイメージを壊しているんであって、施設としてどこが勝っているとか劣っている・とは思ってはいない事をお断りした上で書いてみたいと思います。

①：体温測定

　認知症状が然程ない人であれば《体温計は脇の下に挟むモノ》として意識し、脇を締めてくれるから正確な数値も出るのでしょうが、認知が進んだ人だと「はい、体温測定ですよ」、なんて声掛けしても意味がなく、「脇を締めて体温計をホールドしてくれるはずがない」、という事を前提に測定して欲しいものです。でも、現実は・、そうではありません。

　我が母のケースを言えば、《病室着と下着の間で体温計は浮かんでいるだけ状態》・・。だから常に３６．４～６度を表示します。これだと測定の意味がないんです。朝と夕方、母の元へ駆けつけた私が最初にする事が体温測定。マザコン・、と影で囁かれようが毎日の朝夕に母の元へ駆けつける最大の理由もそう・・。躊躇いや遠慮で母の命を落とさせない為です。

★：或る朝の母、私が計ると３７．３度。。

　茹でた蛸みたいに顔面が紅潮しているのに、「お母さん、３６．４度で平熱でした」、と妙に丁寧な看護師さんの言葉。。。
「でも、今は３７度越えの熱があるんですが」、と私が反発すると、「あら、わざわざ計り直しですか？。専門的な説明になりますが、経管栄養食を摂った後は発熱するもんですよ」、と今時の小学生だって知っている事を・。茹で蛸状態の母を前にこんな会話が・・、時々あるんです。向こうは看護師であって医者みたいな事を言うから、こっちも素人であって医者みたいな事を言い返すんです。

動物って水を飲んだだけでも発熱するんです。水分を摂取する事で身体の生理活動が活性化する為ですが、健常者だとその発熱感は体内(本人)では感じないし、体外(周囲の人)にも分かるような発熱状態は発現しません。何故って、健常者だと上がった熱の分を汗や尿、呼吸、体表皮等々によって放熱できているからです。つまり、メシを食う度に具合が悪くなるような奴は健常者ではない。という事です。つまり、ただでさえ入院中の者が食事後の体温変化が平熱に比して「１度以上も上がる」、というのは異常なんです。

こうした《体内の変化を処理できない状態》を或る意味では「免疫力が低下している」、とも表現するんですね。お袋のケースで言えば「腎臓機能が力を落とし始めているのかなァ」、と思うべきだと思っています。つまり、そうなると心臓への負荷も増えているんです。

　※特に、この８月２３の夜間＆２４日の朝の母の発熱に関しては、考えられる明確な根拠があるはずだと悔しい思いをしながら私は朝の病室を後にしました。何故なら、昨２３日の母は胃ろうの装着器具の交換をしているのです。今朝の母は茹で蛸状態で私が計った時には３７．５度。対して、ある看護師さんは「熱はありませんよ。それでも氷枕が要るんですか？」、と・・。こんな判断を私がしてどうするんだよ・・。

　勤務ローテの都合なのかどうか・、《母が昨２３日に仮麻酔をして胃ろう器具の交換をした》という事をこの看護師さんはご存知ないようでした。老いた病人って、こうした些細なミスで急変して亡くなっていくんだと思いますよ。

②：脈拍測定

　看護師さんって、よく１０秒、１５秒間だけ手首を握って(現在は機器測定が多いが)、その数字に６や４を掛けて僅か１分間の数字を出しますが、あれは危険ですね。不整脈がある人だと正しい脈拍測定にはなりません。自分のやり方優先ではなく、患者の既往症を知った上で作業する事ができないものだろうか・とよく思いますね。

　因みに、私の場合だと２００７年、２００８年に激しい追突事故に遭い、それ以降は常に脈拍は１１０以上．。血圧なんて上は驚きの１６０越え。付けられていた病名は《交通外傷認知症》・・トホ。事故に遭うまでは脈拍４４程度、血圧も上が１３８程度でした。脳波テストや頭部ＣＴを何度受けても異常は出ません。でも、「何かが違う＆どこかに異常がある」、とお医者様は言われます。

　思うに、私には《睡眠時無呼吸症候群》というやっかいな症状？があって、一晩に何度も３分近くも呼吸を停止する事が約１０年前の熊大病院での検査で分かっています。多分、寝ている間に摂取が十分でなかった酸素を身体が欲しがって昼間の心臓の動きが活発になりがちなのかなァ・、と思っています。
それが証拠に、ストレッチなどの運動で意図的に汗をかいた後に計ると異常だった脈拍が４０～５０台に落ち着き、血圧も正常値に戻るんです。これって、お医者様が聞かないから言っていません。最初から私の既往症や事故歴を聞かない先生でしたから・・。多分、名医にはなれないタイプでしょうネ。

　高齢者になると、こうした事故歴や病歴を持っていない人のほうが少ないのではないかと思います。主治医には、「現在示す異常値が何が原因なのか」、まで掘り下げて診断をしないと、単に「変だな、写真では病変は見当たらないのに心臓が弱い＆悪い」という診断になったり投薬が処方されたりしがちではないかと・・。家族からの過去の病歴の聞き取り調査って大事だと思います。

③：酸素飽和状態＆血圧測定

　機器の機能的に言って一定の測定時間を必要とする為に誤った数値は出にくいとは思いますが、酸素摂取状態が悪い・という数値を示した際、「はい、ツヤさん。思いきり深呼吸して下さいネ」、と皆さんが言われますが、それは刹那・・。要は、日常の心肺能力が下がってきているんですネ。

　折角、今＆現在の体力=低い数値を示しているのに、「はい、呼吸して。もう一度深い呼吸をして」、と催促して酸素の摂取量を瞬間的に増やし、その無理に上げた数値を主治医に報告しては何の意味もないと思うんです。

　血圧だってそう・。「今日は何か変っ」、と感じた看護師さんは一様に「はい、深呼吸して」、と言いますが、通常呼吸ではない深呼吸を無理に何度もさせて回復した数値を主治医に報告していては主治医としての正確な予見が益々できなくなる気がしています。
こう思えば、病院やそこで働く医師達の名誉を上げるも下げるも看護師さんや介護士さんの考え一つ・ですね。現在の勤務システムや人事システムのどこかに大きな穴が開きかけていないか・、を大きな体制になればなる程、常に検証すべきだと思いますね。

★：白内障の手術を受けて

　いる事は入所の際に伝えているんですが、それが対策されていません。温タオルでの顔拭きサービスは母は大好きなんですが、母が眼内レンズを装着している事を知らない介護士さんは思い切り両目を圧迫しています。「あのゥ、ちょちょっと。それやめてくれる？」、と柔らかく・理由を言えば、「そんなもの・早く言って下さいヨ」、と。。。一年も前に言っているんですが・・。皆が必死にやってくれているんですが、少しだけ何かがずれているような気がします。

★：二重投薬

　２００５年～２００６年と母が骨折のために入院していた先の病院で起きた事です。深夜の緊急搬送と治療が原因だったと思ってはいますが、夜間勤務の医師が検査途中の激しい痛みを母が訴えた為に与えた鎮痛剤注射と座薬の２種が約２時間後に治療が終わって病室へ移された段階で別の医師から再び同じ２種類の投薬を受け、母の体温と血圧の異常低下があって大騒ぎになった事があります。
この時、病院側は私の指摘した２重投薬を執拗に否定した上、「もう、入院させないから出て行きなさい」、とまで宣言されました。この時、事実を伝えてくれたのは一人の派遣看護師さんでした。この病院を責める気はありません。あくまでもヒトが為す事なんですね。そして、組織として事実を潰そうとする・。

★：介護家族側にも言いたい

　私が介護家族の方々に警告したいのは《こうして測定される日々のバイタル値が主治医に報告され、治療方針が決定されていく事への疑問です。私の記事が事実だとすれば、主治医は堪ったものじゃありませんよネ。

　私は思います。こうした事は我々の家族側にも責任があるんです。施設へ入所させたから「もう、これでいい」、とまるで《姥捨て山》状態のご老人も多数居るようです。季節が変わっても一向に面会に来ない家族・・。階下のリハビリ室へ着ていく衣服も一年中、同じ服・・。いっその事、「あれ、あんたはハマノの裕生さんじゃのゥ」、とでも呼ばれるくらいに有名になれば・と思う瞬間がありますよ。季節ごとの替え着を全国のお年寄にプレゼントができるのに。。。。と。《絶対に施設任せではいけない＆家族の必死さを伝えるべき》、と思います。家族の思いを施設へ伝える事・・、これは家族側の役目です。

★：老いた親を見舞う家族の姿勢にも問題

　病院からはコントロール食が出されているというのに、家族がセッセと副食を持ち込むのは考えモノです。今は様々な調理食品がスーパーに出ていますからネ・。

「ねェ、明日は寿司食べる？＆刺身だけがいいかなァ・」、と見舞いに来た娘さんが・。
「あァ、そうだねェ。だったら明日は刺身とカツを買ってきてよ」、とベッドの母親・。

　このお母さんは脳梗塞で緊急搬送されて以来、常に再発する危険(多発性脳梗塞)があるからと長期滞在型の入所扱いになっているというのに「喉元過ぎれば何とやら・」。運よく、嚥下障害や発語障害が出ていないようなのですが歩行機能がない気配・。それに、全身に渡る浮腫みがあって、指などはパンパンに張って曲がらないほどなのに・・。「お母さん、身体が浮腫んでるネ。でも、ここは病院だし、治して貰えるよ」、と。

　病院では検査で病名を突き止め、治療法を決め、手術や薬を使って治る手伝いをする所であって、治るには本人の治す意思がなければ治るものも治らない処か、逆に運動不足によって多くの生理機能は逆に低下すると私は考えています。私は幾度もの入院生活の中で《或る意味では人間としての生きる意識を棄て易い所が病院だ》という思いを持っていますからね。

　この親子の会話・、手には甘辛煎餅を持ってポリポリと齧りながらの会話の日々が延々と続きました。でも、私が案じた通りに母親に急変が起き、或る日、介護棟から病棟へ・。いつの間にか母の隣から姿が消えました。病棟とは違って介護棟ではこうした家族による副食品の持込には非常に甘い気がしています。それとも、多忙過ぎて気がつかないのかも知れません・ネ。その方の居なくなったベッドの傍には急変で必要になった酸素ボンベが・三日間、置き去りに。「あらっ、この酸素ボンベ・。何に使ったのかしら」、と某看護師さん。現在、多くの病院の勤務システムって《週末限定勤務看護師・夜間限定勤務看護師》さん・と勤務状態が複雑化していますから、あってはいけない事故だって起き易くなっているような気がします。

★：昔のお医者様って、丸い穴の開いた(CDみたい)鏡を額に装着して、「はい、あ~んして」、みたいなスタイルで・・、あれって懐かしいですね。現代のお医者さんって、さっき別な技師が撮影した写真を見ているばかりで滅多に患者を見よう触ろうともしませんね。あれって、院内感染防止が前提になっているんでしょうが、あの姿勢が看護師さん達にまで徹底されているから、ゴム手袋をしてまで老人の額に手を置き、発熱状態を調べようとする気にもならないのだと思います。

★：《胃ろう》の続き

前回の《胃ろう記事》の続き

・になります。看取りの一つの形として、胃ろう術そのものを見直す動きがあります。そこまでして延命を図る必要なないだろうと・という意見ですね。勿論、「状況次第では」、という但し書きつきではあるんです。でも、高校時代の後輩で医者になった者が言っていました。

「胃ろう、が一つの例で語られているだけであって、実はもっと幅広く主流になりつつある考えがあるんです。要は、医療費の国庫負担が理由」、と・。

「裕生さん、いいですか。ここに一人の誤嚥性肺炎(老人性肺炎)のお年寄りが居たとします。寝たきりでも体力があるお年寄りなら、例えば熱があれば解熱剤、炎症があれば抗生剤・・で簡単に治せるんです。ただ、そのお年寄りが９７歳、９８歳だったとしたら、直さずに静かに放置して向こうへ逝かせてあげてはどうか・という考え方なんです」、と・・。「馬鹿野郎」、と私は叫びましたネ。一体、誰が何を基準にしてそうした意見を出しているんでしょう？。

★：命のコントロール

　「じゃァ、その判断は例えばお前がしている・ということか？」、と聞けば、「そうです。医者には人を助けるだけではなく、老い人を安らかに彼の地へ導く役目もあるんだと思っている」、と。。。「その事が家族の負担さえ軽くする事なんだ」、と言うんです。確かに、よく理解できますが、とても虚しい言葉ですね。まるで、医者と坊主が刺身片手に酒を酌み交わしながら人生を語っているようで・・。

濱野裕生・・、今日もお稲荷さん(代継神社)に行こうと思います。「よう、神様さ。俺の命を全部お袋にやってくれよ。何回、頼んだら分かるんだ？」、と・。

看護・介護の原点に戻ってくれよ　投稿者：濱野裕生投稿日：2012/07/26(Thu) 07:58 No.1674

　日々の血圧に脈拍、体温測定や呼吸の様子・・。ご老人の平素の体調を管理する意味では不可欠な事ですね。母が通うデイ施設でも行われていたし、我が家でも主治医の指示に従って起床時と就寝前には必ず測定し、血圧変化の激しい冬場の入浴前後などには特に気をつけていました。

★：重視したいバイタル測定

でも、多忙で走り回っている現代の看護師、介護士さんの中にはこの肝心なバイタル測定を疎かにしてしまうケースが多いと思いません？。
「ハイっ、６度８分。正常です」、「アラっ、７度７分。ちょっとだけ高いみたいネ」、「血圧だって上が１２８でちょうどいいです」、と・。一体、何を根拠に言っているのか知りませんが、こんな看護師さん、介護士さんって身の回りに居ませんか？・・。彼らが使うこのような言葉って絶対に間違っていますよね。

私が遠慮気味に「今日の母の熱は高いと思いますが・・」、と言えば、「そんな事はありませんよ」、と。
「じゃぁ、あなたは母の平熱を知っていますか？」、と問えば、「・・・」、と言葉を返せない看護師や介護士さん・・。介護家庭の皆さんにもこのような遣り取りの経験はありませんか？。

これだと普段のバイタル測定は何の為にしているんだろうと思ってしまいます。因みに、母の平熱は年間を通して５度９分～６度２分程度。血圧は放っておくと２００を越すほどで普段から降圧剤が処方されています。体温だけで言えば、母の場合には３６度５分を越えていると確実に異常なんです。それが何故だか理解して貰えません。

★：この例は・・、

数年前に母が通っていたデイで実際に起きたケースなんです。「普段に比べて絶対に熱が高い」、「血圧が高くないのは降圧剤を飲んでいるから」、と言い返してもデイの看護師さんはムッとしたままで返事をしません。

「だって、呼吸だって荒いし、顔は真っ赤じゃないですか？」、と言えば「じゃぁ、濱野さん、お母さんを連れて帰ってください」、と面倒臭そうに・。確かに誰だって一生懸命に働いているんですが、面倒臭いのは職務としての己の能力が低いから・。「あっ、そうだ。このお年寄りの血圧は高めだった」、とか「このお婆ちゃんの平熱は低めだから・」、等々の個々のお年寄のバイタル傾向くらいは知っていて欲しいものです。

★：家族にとっての親の命は一つ・・。でも・・、

プロの現場では一つではないんです。「腐りかけた命がゴロゴロと転がっている」、かのように・見える時が多いのでしょうか？。でも、こうした事って看護・介護現場では絶対に当たり前の姿になって欲しくありません。

★：濱野裕生は・老人介護施設での検温数字は信用していない

「お母さんの体温・、５分前で３６．４度でした」、と親切な看護師さん。「あ、ありがとうございます」、と私。これって、心から感謝した上で出る言葉です。でも、私が計りなおせば体温は３７．３度。。。何故、このような違いが出るのか・、介護家族側は直ぐに分かるんですが、多忙なプロの看護師さん達には分かりません。理由は簡単なんです。

★：要は・、

脇の下にしっかりと体温計が固定されていない事が多いんです。つまり、《体温計を挟んでいなくて乗っけているだけ》状態が多いんです。
私の母の場合など、自分の脇の下に体温計が差し込まれも検温されているとは自覚していません。否、母に限らずに多くのお年寄がそうだと思います。体温計は母の脇と腕の間の下着のシワの部分にチョンと乗っているだけ・・。これじゃァ、正確な体温が測れるはずがありません。

★：それに・、

朝の起床時や食事前などでは温タオルで顔を拭いてくれる施設がありますネ。とても有難いさサービスではあるんですが、あれにも問題があるんです。何故って、多くのお年寄では既に白内障の手術を受け、眼内にレンズを装着しているケースがあるんだ・と思って欲しいんです。グーッと両目の上から温タオルで押し込んでしまうとレンズが眼内の組織を傷つけてしまうんです。

プロの看護・介護現場で働く皆さん・。この指摘って分かっているはずなんです。面倒臭いだけ・。明らかに苦しそうな表情をお年寄が示しているのを視認した後に初めて対処する・という・・。だから、手遅れになるケースが増えるんです。
バイタル測定に限らず、そのお年寄の既往症というものには気をつけるべきだ・と思っています。

"胃ろう"術について　投稿者：濱野裕生投稿日：2012/07/06(Fri) 22:51 No.1659

◎:胃ろう

☆:嫁がポツンと私に言いました。

　２０１２年２月６日の事です。「貴方を見ていると私にももっとできる事があったような気がする」、と・。嫁が母を看取った直後には「私はお母さんには自分にできる限りの事をした。思い残しはない」、と言っていたんですが。。

　嫁の母は２００６年１月２０日に約１３年に及ぶ闘いに終止符をうって神に召されたんですが、それは凄い闘病生活でした。７０kgは確実に越えた体重が３０kg台にまで落ちていて、ベッドに横たわる最期の姿は本当に可愛いお人形さんのようでした。

★：最初は普通にデイに通う絵描き名人のお婆ちゃんでしたが、

　同居する次男夫婦から、「家にばかり居ずに散歩したらどう？」、という言葉で散歩に出かけた先の神社の境内で転倒し右股関節を骨折、チタン製の人工関節の施術を受けますが体重があり過ぎて術後のリハビリに失敗・。やがて、持病の腎臓病の悪化もあって入所施設から病院へ。その後は日を負うごとに体力は衰弱し、亡くなる前の６年間ほどは特に辛い入院生活を送っていたようです。錠剤だろうがカプセルだろうが薬剤は全て味噌汁の上に豆腐に混じって浮いているんです。

　私の母の場合とは違って嫁の母は兄弟の総意で医者の勧める胃ろうの施術を断って軽い食事と点滴づけの日々でした。この胃ろうというものは最近はPEGの形や種類も施術技術も相当に進化しているんですが、・・その事を私達家族はもっと知るべきだと思います。

　この嫁の母親のケースとは別に私の知人のお母様が胃ろうをされたんですが、今では自宅へ戻り、冬期だけは暖かい施設へ入所するという非常に安定した暮らしをされています。娘さんが元は看護師だった・というのも有利に働いたケースと言えますね。

★：一方では

　胃ろう施術に対しては反対を唱える人達が医学界を中心として増えてきましたね。確かに、人間としての意識も殆どなく、ただただ胃ろうによって生かされている・だけのご老人も多いのは事実です。世界一の長寿国ニッポンの現実はこのようなご老人を含めての長寿なんですが、だからといって全てを一括りにして胃ろうによる延命は意味がないと片付けてしまってはいけません。たとえ、意識も殆どなく、寝たきりになったご老人であっても周囲に与える《生きる》という影響力というものがゼロではない事を私達は知らなければいけません。

★：現在の私達の暮らし・・、

　一体、誰が築き上げてくれたと思います？。あの戦後の無残な瓦礫の中から現在の日本の繁栄の基礎を作り上げてくれた人々を軽く扱ってはいけません。ご老人の中には最愛の息子は南方の戦線で失い、娘は空襲で命を落とし・、そんな苦しみに耐えながらも私達を育てた方も大勢居るはず・・。私は我が母のすっかり老い果てた姿を見る事によって現在でも母への尊敬を日々深くしています。母は〔生きる〕という事の意味を老いを重ねるごとに無言で私に突きつけてきているからです。そんな母を見ていると、私はいろんな反省を込めて母の老いを詩に描き、唄う事で次の世代に伝ようと頑張っているんです。今では胃ろう姿でベッドに横たわるだけの母ですが、そんな母であってさえも私にいろんな事を教え続けているのは事実です。〔ヒトはどう生き、何を残して死ぬか〕、という事を・・。今こそ、私達は老い人達の背中を見つめる時だと私は思っています。

Re: "胃ろう"術について　高田　芳信 - 2012/07/08(Sun) 20:50 No.1661

　濱野裕生様　掲示板にご投稿いただきありがとうございます。５月の私達の第１７回定時総会では、すばらしいコンサートを開いていただき、多くのアンケートがあり、感動を与えてくれたとの熱いことばで埋められました。
今回も貴重なご意見深く感謝いたします。
音楽に介護に全力を傾注されている濱野様でなければ、できない掲示板での内容です。
濱野様、８月２３日には下関でコンサートを開かれるとお聞きしました。詳細入り次第発表させていただきます。
　ご活躍を心から祈ります。この掲示板の掲載も引き続きお願いいたします。

Re: "胃ろう"術について　濱野裕生 - 2012/07/09(Mon) 15:41 No.1663

長文で気が引けながら投稿でしたが、お邪魔でなければ不定期に投稿させて頂きます。私のブログでも発表している《裕生の独り言》の中のブログ記事なんですが、もっと多くの介護家族の方々に読んで頂く事で「なあ～んだ。裕生さんの家でも我が家と似たような悩みがあるんだ」、とホッと気を緩めて欲しいのが本音なんです。５月の戸畑ではお世話になりました。あの戸畑でのご縁が下関コンサートへと繋がりました。

具体的には九州朝日放送のラジオかテレビを使った広報が７月の終わりごろから為されるようですが、９月１日にはＫＢＤ九州朝日放送ロビーを使った公開録音があるとテイチクレコードの営業の方からお聞きした処です。
ウエル戸畑では披露できなかった作品も唄い、介護トークも・とは思っています。ただ、濱野裕生にとっても１時間枠は厳しいんです・。介護トーク中心だと発表する楽曲が少なくなるし、逆であっても消化不良になるし・、とこの１０年の介護模様を語り、唄い尽くすには３時間は必要です。でも、濱野裕生も疲れていますしネ。高田会長、また必ず招待してくださいね。

平成の世に戸惑う老い人達　投稿者：濱野裕生投稿日：2012/07/09(Mon) 15:13 No.1662

★:生活音への戸惑い

　「ねェ、部屋の中にはまだ誰か居るよゥ」、と母。私は玄関で母に靴を履かせながら「何言ってんの？。誰も居ないさ」、と。それでも母は誰も居ない居間の方へ向かって「行ってきまーす」、と・。これはデイに向かう際の母と私の日常的になってしまった会話でした。母は自分の疑問が解決できないものだから車の中でもとても不安な顔・。行った先のデイ施設でもずっと考え込む日が多かったとか・。《最初はじっと考え込んでおられるのですが、お茶を飲んだり周囲に話し掛けられているうちに次第にいつもの明るいツヤさんに戻られました》、とデイ施設からの一日の状況報告である[お通い帳]に記入されたり・。
この母の言葉の意味が最近になって理解できたのです。つまり、母が正しくて私の方が間違っていたんだと・・。母が言う声の主である女性は間違いなく家の中に居たんです。それも留守番電話の中に・。

　「さァ、学校(デイ)に行くよ」、と母を玄関にいざなう途中の私がする事。それは右手でチョンと留守電のセットボタンを押すこと・。やがて聴こえる「只今、留守にしております。御用の方は・・」、という例の音声ガイド。母の戸惑いはその音声ガイダンスの女性の声だったんです。「ねェ、部屋の中にはまだ誰か女の人がいるよゥ」、と・。

★:思い起こせば他にも・・

　母のこうした疑問は２００７年夏頃から始まっていたようです。この時期に我が家は風呂釜を新品に代えました。夕食を作り終える頃になると私は台所に設置したお風呂のリモコンを操作するのですが、その途端に「ねェ、そこに誰か居るとゥ？」、と母が・。「昨夜も夜中というのに誰かが訪ねて来たようだったよゥ」、と。「あの声は私のフサ姉さんのようだった」、とか「ねェ、昨夜来たフサさんが２階に居るはずだから呼んできてよゥ」、と。

★:「お湯張りをします＆お風呂が沸きました」

　母の戸惑いの原因は《喋る風呂釜》だったんです。「追い炊きをします」、「もうすぐお風呂が沸きます」、と・。昭和に生まれ平成の世に辛うじて適応している私と大正２年に生まれながら平成を必死に生きる母を同次元で語る事自体がいけない事だったんです。

当時、多少のウツが出ていた時の私は「何言っとる。フサ姉さんも誰もおりゃせんよ。第一、フサさんはこの世では会えんさ」、と酷い言葉を吐きながら食事の準備をする事もありました。私からの返事を聞いた母は「姉しゃま。フサ姉しゃま・・」、と涙を零しながらグリコのプッチンプリンを・。本当に酷い息子だったなァ・、と今になって反省するんです。

★:母は時代追随への努力をしていた

　或る日、帰宅した私に向かって「あのネ。手荷物屋さん(宅配便)が来たから私の名前でサインして受取ったよ」、と私がネットで買ったＴシャツを大事そうに抱きしめていた母・。歩けない母は玄関まで這って行って見事に我が家の一員としての務めを果たしていたんです。

　私がトイレに入っている時などに鳴った携帯電話・。母は咄嗟に目の前のテレビのリモコンを手にしては「はい、濱野です。どちら様でしょうか？」、と・。でも、短気な私の事ですから「何をしているんだ」、の一言で《手伝おうとする》母に対して感謝の念さえ示さずに怒り散らかしていたのではないか・と思うのです。大正２年生まれでありながら英文タイピストとして働いたりした母の経歴を考えれば母なりの時代追随への努力はしているんだと思うべきだったんです。

★:母ちゃん、ごめんよ

　２０１１年夏に突然に襲った脳梗塞によって現在の母は全身的な麻痺状態になっていて胃ろう生活をしています。脳梗塞の後遺症としては嚥下障害や発語障害だけが語られがちですが、呼吸困難や両手両足の痙攣もあるようです。食べない＆噛まない＆飲み込まないものだから舌などは小さく萎縮していく一方・。あんなに陽気だった母ですが今では「うー・うー」、と辛そうに苦しそうに唸るだけ・。
「母ちゃん、今日もお稲荷さんに願掛けに行ったけんネ。精一杯頑張るとよ」、と私が耳元で囁けば、母は震える両手を伸ばして私の頭の髪の毛をクシャクシャに掻き回して感謝の念を示します・。

　この平成の世になって一気に噴出した様々な出来事に対しても不満だけが先行しては感動を示さなくなる傾向にある私達ですが、今一度、老い人達への尊厳を思い起こしましょう。そこから取り戻せる失くしたモノが一杯あるような気がします。老い人達こそは我が命の源・。まだまだ学ぶべきものを沢山持っているはず。ただ、私達が同じ目線(先入観)で一括りで老い人達を見ているだけ・・。少しだけ気持ちを切り替えて見つめてあげればきっと大きな幸せを与えてくれるはずだと思います・ネ。

あァ、悲しきかな老々介護・模様　投稿者：濱野裕生投稿日：2012/07/06(Fri) 23:29 No.1660

　熊本日々新聞社の小多崇記者の取材記事を読みました。２０１０年に公表された厚生労働省の調査によると全国の介護家庭では同居する家族を男性が介護するというケース。つまり、つまり息子が父や母を、或いは夫が嫁の日常をお世話する・というケースが急激に増えていると指摘しています。今では全国平均で３０．６％がこうした状態にあるといい、高齢化現象が顕著な自治体では既に５０％に達する地域が次々と増えているんです。

★：母がお世話になっている施設でも・・

　間違いなくそのような姿が目撃されますネ。夕方になると必ず奥様を見舞われる男性が居ます。１１年前に酷い脳出血で倒れられた奥様は脳圧が下がらずに開頭したままで４年間を植物人間状態で病院生活の後、脳圧が下がったのを確認して現在の病院へ転院して７年・。今ではご主人の存在を認識できる日も多くなられたそうですが、この間のご主人の苦悩は計り知れないものがありますネ。
　胃ろう術が施せないほどに太っていた為に鼻からのチューブで栄養摂取されていて「当時よりも太った」とご主人。しかし、「足を見て下さいよ。ホレ」、と・。１１年間の寝たきり生活と高カロリー輸液で更に体重を増した奥様の上半身からは枯れ枝がぶら下るような細い２本の足・・。「そこまでして生き続けさせるのか・・、これじゃァ逝き続けじゃァないか・」、と一瞬ですが思いました。

★：トントントトン

　でも、この方の奥様は間違いなく生きておられんです。名前を呼んでも返事をせぬ日などは奥様の腰を一定の規則的なリズムでトントントトン、トントントトン・・とご主人の拳が叩けば奥様は突然に「ウウウゥ、ワウウゥ」、と喜び叫んでは涙を流されるんです。
私の母よりも酷い発語障害があるんです。多分、全身に渡る運動機能もないんだと思います。
ご主人は「オイ、来たゾ。寂しかったな。ゴメンよ。よしよし、喋らんでもよかゾ」、と
・。ご主人は天井を睨みつけながら鼻水を・。己の嫁に対してここまでの愛情を示せる男性が居るんですね。この男性はもの凄い苦悩の１１年を送ってこられたはずだと思うと、その姿を見ていた濱野裕生は思い切りもらい泣きしてしまいました・。

　「あんたはいいよ。自分の母親が相手だしな」、と私に言われます。「俺なんか自分の嫁だよ。嫁を介護するって辛いもんですよ」、と・。

★：こんなケースも・・、

　介護するご主人の方にかなりの難聴があって、お２人の会話がなかなか繋がりません。入院中の奥様に認知があって、壁のボタンを押して「トイレです」、というナースコールは使えません。「ねェ、起こして。トイレよ」、と傍のご主人に伝えているんですがご主人は「？？おう、ベッドから起きたいか？。外に散歩にでも行きたいんだろう？。そうか・そうか」、と一向に相手にしないんです。
この奥様には腎臓や肝臓にも問題があるようなんですがご主人はせっせと副食を持込みます。「これ食って体力つけとけよ。病院のメシだけじゃ治るもんも治らない」、とケーキにアンパン、甘辛せんべいを毎日大量に病室へ持込んできます。だから、奥様は病院での３度の食事の時以外でも常にムシャムシャ＆ポリポリと・。認知も手伝ってハンパではありません。このご主人の行動に対して看護師さんからは「糖尿が出ているからコントロール食を与えている意味がないじゃありませんか。食べ物は持込まないで」、と何度も注意を受けるんですが聴く側のご主人が酷い難聴の為に話の筋が肝心な処でズレてしまうんです。

　「病院じゃ最低限のメシしか提供していないから不足分は家族で持込んで食べさせてくれってさ」、と解釈しているんです。「そりゃ、そうだろ。食わな元気にはなれんからな。うん、うん」、と奥様に説明をしています。これもあの食料の乏しかった戦時・戦中戦後を過ごした経験のある高齢夫婦の犯す間違い。老老介護の一つの不幸ですね。この数ヶ月、同じ病室で母の傍に居ながらこの奥様の変化を私が見る限り、ドンドンと衰弱されていく様子が私には分かるんです。多分、難聴の上に認知が入っていると思われる介護者側のご主人には分かっていないようなんです。
この思い込みの激しさ、それまでの古い知識を最新の情報に転換できないまま・、というのは認知の典型なんですが、介抱される奥様の変化に気づかない・、というのも認知なんですね。こうした老老介護の光景って今や全国で見られるんだと思います。

こちらこそありがとうございました　投稿者：高田　芳信投稿日：2012/05/16(Wed) 20:08 No.1612

　濱野裕生様　私の方から、感謝のお便りをさしあげようと思っておりましたところ、濱野さんからこの掲示板に掲載いただいて
恐縮しています。

　やはり、介護に真正面から取り組まれ、お母さんへの燃えるような愛情を傾けている人でないと、詩、曲、歌、トークはできない、独特の個性をもたれているすばらしい方だと、お会いして思いました。

多くの人に感動を与えていただき、心からお礼を申し上げます。ありがとうございます。

　時間が足りなくごめんなさい。ディサービスに家族を通わせていて、帰りの時間に間にあわさなければならない方などの事情や、５時には会場整理して、明け渡さなければならないなどあり、十分時間がとれず、申し訳ありません。これを機会に、北九州や福岡県内で濱野さんのコンサートが広がることを期待します。必ず広がっていくと、私は確信しています。

アンケートも５０通あり、ほとんどが喜ばれ感動され、涙を流された方も多くいます。
おかげで、総会とともに、参加者の心を癒そうとの願いが実ったことを本当に喜んでいます。

　遅くなり、申し訳ありませんが、重ねて感謝し、今後とも、ご一緒に認知症の人、障害者の人、その家族の方々の支援のために手を合わせていきましょう。

是非、一緒に　濱野裕生 - 2012/05/16(Wed) 21:23　No.1613

　個々の思いや言葉って非力・微力なものでしかありません。それは愚痴に近い虚しいものです。でも、この個々の思いや言葉を集団の思いや言葉にまとめ上げる事ができるのであれば、・それは必ずや力強いモノとなり形となって大きな実となる事ができるはずだと信じます。決してくじける事のない活動を続けたいと思っています。今後とも宜しくお願い致します。

☆：ありがとうございました　投稿者：濱野裕生投稿日：2012/05/16(Wed) 08:07 No.1611

　５月１２日はありがとうございました。初めての北九州でのコンサートという事で最初は珍しく緊張していました。８０分の予定でしたが気づけば２時間近く・、大幅に時間延長をしていたように皆さん、とても思いが熱い方が多かったような気がします。コンサートが終わってからの質問攻めには、そ熱心さにとても感動をさせられました。
　今回の北九州のように熊本だけで活動するだけじゃなく、もっといろんな地域でのコンサートを行なわなくてはいけないなァ、と強烈に感じました。またの機会を楽しみに、濱野自身ももっともっと母の老いを見つめ直し、もっともっと深いトークができるよう勉強したいと思っています。高田会長以下、スタッフの皆様。そして、家族の会の皆様には改めて感謝の意をお伝えいたします。

Re: 我が家の場合・・、　濱野裕生 - 2012/02/08(Wed) 23:49 No.1487

　母が独居していた家が住み人無しとなったままでは防犯＆防災上でもいけないだろうと処分を決めたのですが、実際には大変な流れが待っていました。建物の方は殆ど価値がなくなっていましたが、まずは３０数年前に没した父親名義のままだった事。この土地の処分には最初に父親名義を母と子供達３人の所有に手続きをする事。その後、相続者全員の総意として処分(販売)に移行できるという事でした。

　問題になったのは９８歳の母にはあらゆる物事への判断能力がない・との裁判所の判断があって[後見人]を立てる必要がありました。最初から司法書士さんを立てていたんですが、飛んでもない方向へリードされていたんです。司法書士さん曰く、「基本的に同居人は後見人にはなれない/他県に住む親族も認定要件を満たさない」。よって、法的な専門家である司法書士の私がその役を務めます」と一方的な内容の書類を作成して裁判所へ手続きをしていたんです。つまり、濱野裕生としては実姉が母の子供３人の中では精神的にも経済的にも安定している事を理由に推薦していたんですが、「司法書士さんは『長崎県に居住していてはなれない」として姉を不適格者扱いしていたんです。

　多いに疑問を持った姉と私が長崎と熊本での法律相談会に出向いて相談した処、法的事実は全くの逆の結果だったんです。簡単に言えば、司法書士さん自身が後見人に指名されることによって入る月々の手数料が目当てだったとしか言えない申請書類の作り方だったんです。

　この件では司法書士さんが裁判所へ提出した書類を依頼者である濱野裕生が異議申し立てをし、申請を取り下げた上で改めて濱野裕生が書類を最初から作成し直して無事に実姉を後見人にする事ができたんです。だから、専門家任せではなく、私達自身もこうした親の老後・介護・財産・相続・処分という決して無関係ではない事に制度に関しては前以て勉強をしておく必要があるのではないかと痛切に思います。

　ただ、この後見人制度ですが悲しい事に母からは選挙権までを奪ってしまったんです・ね。母が熊本へ来て以来、投票日にはキリッとした表情で嫁の車に乗って出掛けていた母・・。たとえ、母が「ウサギさん」、と書いて投票しようが無効票として扱えばいい事・。この成年後見人制度というものは生きているものの人権を奪ってしまう・制度でもあるんです。ちょっと悲しい経験をご報告しました。

Re: 濱野裕生さんのプロフィール　濱野裕生 - 2011/10/11(Tue) 22:20 No.1303

　皆様の前で・・。そして介護に関わる多くの家族の皆様の前で一介護家庭=濱野裕生として我が母が要介護２から要介護５に至るまでの９年半の思いを語り＆唄わせて頂きたいものです。

　１０月は既にコンサート予定が詰まっていて、１１月前半には東京＆大阪での大きなコンサートが予定されています。１１月後半は１２月１４日発売予定の１２曲入りのCDアルバムのレコーディングで熊本～東京往復の連続が予想されますが、その後の予定はありません(第一、本業が別にあるんです)。皆様の活動は凄く活発なようですね・。是非、皆様と交わってみたいと思っています。新しい知識も必要ですが、愚痴をこぼし合う・・、そんな集まりも必要です・ネ。

Re: しっかりして！＆聞く耳を使い分けよう　濱野裕生 - 2011/10/02(Sun) 18:57 No.1290

悔しさはよく分かります。貴方の日常を知らない、理解しない者は何とでも言うはずだし、それはそれでいいんです。深慮しない人は世の中には幾らでもいますし、全ての人に貴方の日常を理解して貰おうと思うのも無理があります。

むしろ、貴方が彼らに言葉に反発する事は・・、末期癌のお父様を苦しめる事になるんです。それに、MCIのお母様にしてもやがては重度の認知症へと進行する事でしょう・・。

貴方は悩んではいけません。貴方が悩めばご両親の苦しみはもっと深くなります・。それに悩む事であなた自身が抱える病気も重くなってしまいます・よ。貴方は既に答えを立派に出していますよ・ね。人は悩むだけ、流した涙の分だけ強くなれるんです。それに・、貴方はご両親というヒトの役に立てる日々を送っているじゃないですか。己の人生を絶対に悔やんではいけません。そして、泣いてもいいんです。幾らでも泣いていいんです。でも、絶対に悔しさ悲しみさ周囲に押し付けてはいけません。貴方は立派に闘っていますよ。辛さ＆悔しさをバネにして・・、その通りです。天は今の貴方を見捨てる事は絶対にありません。今の貴方は今の人生を肯定して今のままに強く生きて下さい。

高田様＆福田様　投稿者：濱野裕生 投稿日：2011/09/22(Thu) 23:33 No.1283

　万物の老いに関ろうとする会の趣旨を添付資料から読み取る事ができました。まずは、私の母の胃ろう施術後の経過ですが、点滴だけの期間があった分だけ痩せ、入歯も合わないほどになっていましたが、今では何とか元の体型に戻り顔色も非常に良くなっていています。高カロリーの流入食って本当に有難いものですね。朝とお昼には300Ｋカロリーで夕方には４００ｋカロリーは胃ろうを通して注入されています。「あはっ、車にガソリンを入れているみたいね」、と耳元で言えば母がか細い声で「ありがたい・もんよ・ネ」、と。

　先日、レントゲン室で嚥下機能の確認がありましたが、結果は良くはありませんでした。薄いバリウム液を飲み込もうとするのですが多くは胃の方へ流れても一部のバリウムは気管の方へ流れようとします。
母が飲み込む意志を示さないからなのか、脳が飲み込む指示を出さないからなのか・・。暫くは言語リハビリを続ける事で嚥下障害の改善に結び付けようという方針が示されました。

私だけでなく、介護って大変ですよね。いろんな大変な事があるんですが逃げる事も出来ませんし・ネ。

　介護生活が悔悟生活にならぬよう・心のギアを上手く切替ながら頑張っていきましょう・よ。
お陰さまで１０月の熊本はコンサートラッシュ。１１月は東京と大阪でコンサートが企画されています。
いつの日か皆様の前でトーク＆ライブが出来ればなァ・と思います。私のコンサート会場で必ずお配りする[介護録]を近日中にお届けしたいと思います。

Re: 濱野裕生さんの蝉しぐれを聴きました　濱野裕生 - 2011/09/12(Mon) 20:57 No.1260

ありがとうございます。今回のメジャーデビューに際しては随分と悩みました。２００６年頃から幾つかの社会福祉協議会や看護協会等の研修会の場を中心に活動してはいたのですが、「老いていく一方の母の様子を晒しものにしているような気がして」、・・私の思いは複雑でした。

でも、この私達が暮す日本でこれ程までに高齢化し、伴う諸問題が噴出してくるようになって決心しました。私達は便利さや都合の良さばかりを追求するようになり、その暮らしにすっかり浸りきってしまい、日本人本来の姿を忘れてしまい始めたような気がするんです。それは少子化による断絶気味の親子関係や失いかけた兄弟の絆・・。例を挙げればキリがありません・ネ。
不便さの多かった昭和の頃の勤勉な父や家庭を必死に護る母親の姿・。穫れたての野菜を運んでくれた近所の農家の方・・。
家族で詣でた神社で頭を垂れる家族・・。

その一方で家族でキャンプに行っても火を熾して飯盒で米を炊けない父親に家庭では魚を捌けない母親・・。現代を生きる私達は実多くの日本人らしさを失い始めている事に気づいたんです。
これからも多くの事を詩に綴り歌い語り伝えていこうと思っています。私の他の作品も聴いて頂ければ幸いです。http://inotinouta.otemo-yan.net/

Re: シンガーソングライターの濱野裕生さん　濱野裕生 - 2011/09/11(Sun) 22:21 No.1256

濱野裕生です。以下に住所＆電話番号をお知らせします。不定期ですが今後も投稿をさせて頂きたいと思います。宜しくお願い致します。

〒861-8084/熊本市清水岩倉２丁目23-8 濱野裕生(高橋)
携帯：090.1368.2656

Re: 胃ろうについて　濱野裕生 - 2011/09/04(Sun) 22:08 No.1241

		胃ろう・・、難しい選択ですネ。皆様のご意見の一つ一つに頷いた上で私と母の暮らしを書いてみたいと思います。　私の母は多発性脳梗塞を持っていて常に小さな脳梗塞を繰り返してきました。幸いにもこれまでの脳梗塞では麻痺や痺れもなく常に快方に向かってはデイにも通うほどに戻っていました。でも、この2011年8月４日に突然に発語が不自由になり、嚥下障害が始まりました。診察の結果は脳静脈の一部に８mmほどの血栓が見つかったんです。　点滴と鼻から胃へのチューブでの注入食ではやがては細菌によって誤嚥性肺炎になる確立は９８％と主治医殿に言われ、私は母への胃ろう施術に同意しました。　仮麻酔をして胃ろう施術の為に手術室へ向かう母は入院後の日数の為に痩せ始めてはいましたが「行ってくるよ」、とばかりに私にウインクをしました。　そして、胃ろう施術から１１日目の今日(９月３日)の母は「微かな声で「これ(流入食)だ・け・だと・お腹が・減る・もんだ・ね」、と途切れ途切れにでも私に伝えました。　私の母は９８歳・。皆さん、決して親の長寿に口を挟んではいけません。枯れた花でも花は花だと私は思います。命に口を挟むべきではありません。私の母の場合は「頑張ってくれよ」、と耳元で囁けば「ウン」、と頷いてくれます。「早く体力つけてお腹のボタン(胃ろうのこと)を外して家に帰ろうネ」、と言えば「ウン」、と頷きます。　母は既に要介護５になって４年目で左股関節、背骨に骨折があり、左目も見えてはいません。言葉がうまく喋れなくとも自分の子供の私の存在も理解できない日が多くとも、私は母に母を求めずに細る一方の母の命に付き添っているつもりです。皆様のご意見を十分に理解した上で書かせて頂きました。